裏庭。絵日記的ブログ
実家に来てます(^^)
寝ている場所から月が丸見えで、あまりにも綺麗だったので思いついた小話。
夜中にぽちぽち作ったのを校正しました。
いやぁ、セネたんと月って相当萌えますね!笑
つーわけで、以下、アイセネです!
読む人のみ、スクロールどぞ!
眩しいほどに明るい月明かりの下、腰掛けくらいの、ちょうど良い大きさの岩に探していた人物が座っていた。
月を見上げる格好で目は閉じたまま、膝には魔導書に手を添えている。
艶やかな黒髪は月光をまとい銀色に輝き、密かに吹く風にそっとなびく。
闇色が混ざった、夜の鈍い色彩はそれでもはっきりと月明かりに照らされて、はっとするほどに紅い唇が妖艶に浮かび上がる。
神々しいとも言えそうなその姿に、アイクは畏怖に近いものを感じた。触れてはいけない、汚してはいけない、それと同時に、何処へも行かないようにと、自分だけのものであるようにと、願いにも似た焦燥感に苛まれる。
とっくに気配に気づいていたであろうその人物が瞳を開き、ゆっくりとした動作で振り返った。それはまるでスローモーションのようで、光を受けた紅い瞳が深い色で光る。
「どうかしましたか、アイク?」
いつもの笑顔でニコリと微笑まれ、アイクは衝動的に抱き寄せた。
「ア、アイクっ…?」
魔導書がバサリと音を立てて地面に落ちる。
「セネリオ…何してたんだ?」
何かを押し殺したような抑揚のない口調で問われ、抱き締められたままの格好で戸惑いながら答える。
「は、はい…あの…月光浴を…していました。」
「…月光浴?」
緩められる気配のない逞しい腕に、セネリオは諦めてその胸に身体を預け力を抜いた。
「…はい。…月には汚れた気を浄化して、魔力を補う力があるんです。」
「浄化…か。」
「はい。魔導書を清めて、月の魔力を身体に入れていました。」
「そんなことをして身体は大丈夫なのか?」
身体を気遣うアイクの言葉に、セネリオは柔らかく微笑んだ。
「はい。身体に害はありません。いわば、光の魔法の根源のようなものなので…。」
「そうか…。…ならば、これも浄化できるか?」
身体を放したアイクは、空いた手でラグネルを抜いた。
刀身が鞘とこすれて金属音が鋭く響く。
良く手入れされたその剣は月光を受けてキラリと輝いていて、戦場の殺伐とした雰囲気は感じられない。
だが幾多もの魂をその刀身に浴びてきた剣には、みるものがみれば相当の力が籠もっていると感じられる代物だ。
セネリオはその光を目を細めて見つめ
「…もちろん、浄化できますよ。」
答えると腰掛けていた岩から降りて落ちたままだった魔導書を拾い上げると、そこに剣を置くように促す。
促されるままに剣を置くと、アイクは月を見上げた。
その横顔をじっと見つめていたセネリオが
「…アイク」
呼ばれて振り向くアイクに、少し言いにくそうに話す。
「あの…少ししゃがんでもらえますか?」
「こうか?」
素直に従うアイクは、セネリオの前で跪く。
「あ…ありがとうございます…えっと…」
落ち着くように目を閉じて深呼吸をして、再び瞳を開いたその色は月光を受けて紅く深く輝いている。
「あなたに、月と風の加護がありますように…。」
唱えるように呟くとセネリオはアイクの額にキスをした。
アイクはしばらく金縛りにあったように動けなかった。
それを違う方向に解釈してしまうセネリオが、おろおろと視線をさ迷わせる。
「あ、あの、お気に障りましたか…?」
不安な色を映す瞳に気付いたアイクが立ち上がると、再びセネリオを抱きしめた。
「いや、嬉しい。ありがとう、セネリオ。」
「あ、は、はい…!」
祝福を受け、触れた額からセネリオの心情が流れ込んできた気がした。
お互いに、守り、守られているのだと。
アイクは剣を手に取り、月にかざし心の中で誓う。
この先何が起きても、目の前にいる愛するものを守りぬけるようにと。
その隣で寄り添う小さな影が、同じ想いで月を見上げていた。
ラグネルをアロンダイトに変えると、旅のエピソードに変わりますw
ラグネルなので多分行軍中ですね。
…アロンダイトのが良かったかしら?w
寝ている場所から月が丸見えで、あまりにも綺麗だったので思いついた小話。
夜中にぽちぽち作ったのを校正しました。
いやぁ、セネたんと月って相当萌えますね!笑
つーわけで、以下、アイセネです!
読む人のみ、スクロールどぞ!
眩しいほどに明るい月明かりの下、腰掛けくらいの、ちょうど良い大きさの岩に探していた人物が座っていた。
月を見上げる格好で目は閉じたまま、膝には魔導書に手を添えている。
艶やかな黒髪は月光をまとい銀色に輝き、密かに吹く風にそっとなびく。
闇色が混ざった、夜の鈍い色彩はそれでもはっきりと月明かりに照らされて、はっとするほどに紅い唇が妖艶に浮かび上がる。
神々しいとも言えそうなその姿に、アイクは畏怖に近いものを感じた。触れてはいけない、汚してはいけない、それと同時に、何処へも行かないようにと、自分だけのものであるようにと、願いにも似た焦燥感に苛まれる。
とっくに気配に気づいていたであろうその人物が瞳を開き、ゆっくりとした動作で振り返った。それはまるでスローモーションのようで、光を受けた紅い瞳が深い色で光る。
「どうかしましたか、アイク?」
いつもの笑顔でニコリと微笑まれ、アイクは衝動的に抱き寄せた。
「ア、アイクっ…?」
魔導書がバサリと音を立てて地面に落ちる。
「セネリオ…何してたんだ?」
何かを押し殺したような抑揚のない口調で問われ、抱き締められたままの格好で戸惑いながら答える。
「は、はい…あの…月光浴を…していました。」
「…月光浴?」
緩められる気配のない逞しい腕に、セネリオは諦めてその胸に身体を預け力を抜いた。
「…はい。…月には汚れた気を浄化して、魔力を補う力があるんです。」
「浄化…か。」
「はい。魔導書を清めて、月の魔力を身体に入れていました。」
「そんなことをして身体は大丈夫なのか?」
身体を気遣うアイクの言葉に、セネリオは柔らかく微笑んだ。
「はい。身体に害はありません。いわば、光の魔法の根源のようなものなので…。」
「そうか…。…ならば、これも浄化できるか?」
身体を放したアイクは、空いた手でラグネルを抜いた。
刀身が鞘とこすれて金属音が鋭く響く。
良く手入れされたその剣は月光を受けてキラリと輝いていて、戦場の殺伐とした雰囲気は感じられない。
だが幾多もの魂をその刀身に浴びてきた剣には、みるものがみれば相当の力が籠もっていると感じられる代物だ。
セネリオはその光を目を細めて見つめ
「…もちろん、浄化できますよ。」
答えると腰掛けていた岩から降りて落ちたままだった魔導書を拾い上げると、そこに剣を置くように促す。
促されるままに剣を置くと、アイクは月を見上げた。
その横顔をじっと見つめていたセネリオが
「…アイク」
呼ばれて振り向くアイクに、少し言いにくそうに話す。
「あの…少ししゃがんでもらえますか?」
「こうか?」
素直に従うアイクは、セネリオの前で跪く。
「あ…ありがとうございます…えっと…」
落ち着くように目を閉じて深呼吸をして、再び瞳を開いたその色は月光を受けて紅く深く輝いている。
「あなたに、月と風の加護がありますように…。」
唱えるように呟くとセネリオはアイクの額にキスをした。
アイクはしばらく金縛りにあったように動けなかった。
それを違う方向に解釈してしまうセネリオが、おろおろと視線をさ迷わせる。
「あ、あの、お気に障りましたか…?」
不安な色を映す瞳に気付いたアイクが立ち上がると、再びセネリオを抱きしめた。
「いや、嬉しい。ありがとう、セネリオ。」
「あ、は、はい…!」
祝福を受け、触れた額からセネリオの心情が流れ込んできた気がした。
お互いに、守り、守られているのだと。
アイクは剣を手に取り、月にかざし心の中で誓う。
この先何が起きても、目の前にいる愛するものを守りぬけるようにと。
その隣で寄り添う小さな影が、同じ想いで月を見上げていた。
ラグネルをアロンダイトに変えると、旅のエピソードに変わりますw
ラグネルなので多分行軍中ですね。
…アロンダイトのが良かったかしら?w
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