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裏庭。絵日記的ブログ
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「はい、どうぞ」
「えっ?」
出かけようと、玄関のドアを開けた時だった。
目前に見知った男が居て、手にしている小さな花束を差し出す。
食はその顔を唖然として見上げるとともに、反射的に花束を受け取った。
触れた指がひんやりと冷たい。
「お…まえ…」
「お花屋さんでみかけました。春を告げる花が、もう咲いてるんですね。」
口にしたい言葉は山ほどあったが、せききったように溢れる感情に押されてうまく言葉にならず、男の視線に促されるままに自身の手元を見た。
白、赤、青、優しい雰囲気の花は良く見知った花だ。
「…アネモネ?」
「そうですよ」
寒さが続くが、日は確実に長くなっていることを体感したのはつい昨日のことだ。
「もう咲いてるんだな。」
春はもうそこまで来ているんだと改めて感じる。
しみじみと呟いた食は、はっと我に帰ると、男を見上げて文句を言いかけたところを遮られた。
「ただいま、食。」
とろけるような笑顔を向けられ、口をつぐんでしまう。この顔にはかなわない。
「…ったく、帰るなんて一言も言ってなかったじゃないか。」
食は悪態をつきつつも緩んでくる顔を隠しながら、ちょっと待ってろ、と部屋の中へ引き戻す。
男は玄関に入ると後ろ手にもたれて、食を眺めた。
「手紙が間に合いませんでした。」
すみませんねぇ、と反省など微塵も感じさせない顔で答える男のもとに食がやってくる。
「これ。」
ぶっきらぼうに押しつけられたものを、男が受け取る。
「これは…」
赤い小さな箱に白いリボンが結ばれている。
チラと食を見やると照れ隠しにそっぽを向く。
その肩を抱き寄せ
「ありがとう、食」
顔を寄せると自然に視線が絡み合い、唇を重ねた。
抱きしめられて、久しぶりに感じる腕の温もりにうっとりと目を閉じた。
「…どこか出かける予定だったんですか?」
「あ、うん。パン工場。」
「私も一緒に行きますよ。」
続きは後です、と額に口付けると、
「…バカ」
頬を染めて呟いた食なのであった。






**************
なんだかんだで滑り込みセーフ?!
餡菌も考えてたんだけど、急遽呼び出されて仕事に言ってたので書けなかったorz
明日書けたら書きたいな~。
めっちゃバレンタインネタだけどな…笑
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